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(3)滑舌が悪い、声がこもる等の問題に”聴くことから”アプローチする【声の要素編】

(3)滑舌が悪い、声がこもる等の問題に”聴くことから”アプローチする【声の要素編】

声の要素を知る

前回の【姿勢編】でお伝えした“聴き取りの姿勢”をとることで、「耳の機能」と「息の通り道」を確保したら、いよいよ発声です。
でも!発声といっても、まずするべきことは「聴く」ことです。

【息編】で、実際の発声のことも少し書きましたが、実はその前の段階として、自分の声の何を聴くか、が大切になります。
それには、声を構成している要素をまず知ることです。

トマティス発声法では、聴くべき声の要素を ①響き、②母音、③子音、としています。
母音、子音、は分類としては知ってはいるものの、声のご職業以外の方は、日ごろそれを意識することはあまりないかと思います。ましてや、①の響きに関してはもっと認識はないかもしれません。

例えば、人を驚かす時の「わっ!」を発声したとしましょう。
この「わっ!」という音声は「わ」というひとつの音の塊ではなく、構成要素は、
【W(子音)+A(母音)+響き】となります。(漢字やひらがなは、アルファベット言語に比べると、音の要素を文字から知ることはできにくいです。それがジャパニーズイングリッシュを生む要因のひとつとなるのかもしれません)

音声をこれらの要素に分けて聴くことができれば、
・言葉を噛む
・滑舌が悪い
・声が届かない

あるいは、歌唱において、
・ここのフレーズが歌いにくい
・音程が下がる

等があった時、どこに問題があるのかが発見しやすく、改善修正がしやすくなります。

特に、滑舌がよくない場合、唇や舌の動き、舌の長さ、かみ合わせ等、さまざまな要因はあるものの、音声を要素に分解、認知して、自分の声を“よく聴く”ことに徹して発声していただくと、それでけでも解決することが多いです。

よく聴くと発声すると、発声に関与している部位(例えば舌や唇等)が、明確に動いていなかった、あるいは過剰に動いていた、子音の息が足りていなかった、母音を省略していた、響きが変わってしまっていたetc.のことがよくわかります。

耳を育てる

音の要素を認識し⇒足りないところ、過剰なところを修正して⇒それを聴く、を繰り返すことで、耳を自分で育てていくことができます。これがとても大事です。

ですが、いきなりこの要素を自分ひとりで聴き分けることは、なかなか難しいです。
自分流の聴き方をしてしまうので、聴き落としていることも気づかなかったりします。
自分の歩き方のクセが実はよくわからないのと同じです。

聴き方のクセを取り、何をどのように聴くかを知っていただくのが、トマティス発声コースです。もしご関心をいただけましたら、まずは「耳と声の講座」にお越しください。

次回は、その要素のひとつ、響きについてお伝えします。