NEWS&BLOG ニュース&ブログ

5月発声トレーニングコース 受講生の感想

5月発声トレーニングコース 受講生の感想

発声トレーニングコースは、文字通り発声のことを学びますが、トマティス発声は「聴く」ことから、声にアプローチします。自分の声を聴くということはどういうことか、「聞く」と「聴く」の違いは何か、自分の声の何を聴くのか…etc. その過程において参加者は、色々な気づきをされていきます。

【Tさんの感想】 自分に優しくしていい…。

「いつも人の話を聞く、人に対して伝えるという他人ベースであることが優しい人間、正しいことであると無意識のうちに思って、50年以上生きてきましたが、トマティスはまず自分の声を聴く、感じること、そこから全てが始まるということを教えてくれました。

自分に優しくしていいとは、誰も教えてくれなかったと思うし、自分を大切にして生きてきたつもりではありますが、本当はそうしてなかったということに気づかされました。

発声の改善のために受講しましたが、まずは明日から自分に優しく、自分を愛していきていきたいと思いました。トマティス博士の考えは素晴らしいと思います。自分がこれからどのように変わっていくのか楽しみです」


身体を優しく扱う

Tさんは、発声を通して、自分に優しく、ということに気付かれたようです。
トマティス発声の要は、“自分の身体を優しく扱う”です。

毎月開催している「耳と声の講座」で、参加者の方に「どんな声が好きですか?苦手ですか?」と尋ねますが、不思議と好きな声より苦手な声を先に挙げる方が多いです。私たちは、快より不快の方が印象に残るようです。苦手な声には、攻撃的な声、大きすぎる声、キンキンと刺さるような声、等が挙がります。

刺さる…という言葉通り、音声は聴覚だけでなく、触覚にも影響するようです。怒鳴り声などはまさにそう…。声はバイブレーションですから、目には見ませんが相手を触っています。乱暴に扱った身体からは、優しいバイブレーションは発生せず、相手ばかりでなく、まず発生元である自分をも傷つけます。



胸をなでおろす

お寺の鐘のゴ~~~~ン、と遠くまで鳴り響くあの余韻が、私達は気持ちいいなぁと感じます。
声も同様、耳に、身体に、心に、ここちよくス~っと入る声だと、聴く耳を持ってもらえます。
トマティス発声では、この“ス~っと入る声”の正体、“骨導ハミング”(響き)を認識するところから始まります。(骨導ハミングについては、また別途記します)

優しい骨導ハミングを生じさせるには、身体を優しく扱うことです。
でも多くの方が、無意識に身体をがんばらせています。特に、発声にかかわる声帯が近くにあるのに胸をがんばらせている(固くしている)。胸を張って、がんばって生きてきた…。
でも胸ががんばっていると、呼吸も浅くなってしまいます。

ホッと胸をなでおろす、という言葉があるように、常に胸は優しい場所であって欲しいです。
赤ちゃんやペットを優しく抱いている時のように。その状態にある時、呼吸も深く、声帯も伸びやかに、発声に良い姿勢もとれているのです。
自分の身体に優しくすることを許した時に、健やかな呼吸ができ、それが健やかな発声につながるのです。



【Oさんの感想】 自己受容して観察する…。

「これまで(コーチングで教わったこともそうですが)何かを学び成長しようとするときに、現状の自分が理想と違うことで自己否定から始まり、離脱して不器用にあれこれ考えて、新たな自分の形を探すというパターンをとってきました。

自己受容して観察しながら、一つ一つ付け加えるように習得していくという成長の仕方を教わった3日間でもありました。すぐに実践できそうな気がしているのが、その成果だと思います。

自分の声、人の声、それを通したコミュニケーションで満たされることができるのだな、と感じました。
感謝です。ありがとうございました。

体を変えることでメンタル、思考、行動が変わるというアプローチができることも貴重だと思ったので、多くの人にトマティスを知ってもらいたいなと思いました。



自分を客観視する、観察する

Oさんは、自分を観察する、ということに気付きがあったようです。
自分を客観視する、俯瞰する、これはトマティス発声において大切な観点です。何かを変えたい、と思った時、まずは今の自分を観察し、必要なもの、必要でなかったものを整理して選択していくことが大事です。

発声トレーニングコースでは、初日に約2時間程かけて体操を行います。
体操がこのコースの9割と言っても過言でないほど大事です。というのは、位置づけとして、発声のための準備体操でななく(もちろんそれもありますが)、自分の身体を知るということなのです。どこを動かして呼吸をしていたか、あるいは、どこを動かさずに呼吸をしていたか、いかに動かないか、あるいは無駄な動きをしていたか、など…。
Oさんが書かれた「自己受容して観察する」が、この体操から始まっているのです。

これは自分を知る作業です。ここに否定は必要なく、ただ知る。そして身体のニュートラルを認識し直していきます。


丁寧に自分と向き合い、本来の声に出会う

人間は、生活の中で、知らず知らずにクセを身に着けてしまっていることがあります。
発声での具体的なことを挙げると、姿勢、呼吸、顎の動き、舌の動き、口の動き、そして一番大事な「聴き方」等。これらについて、観察し、受容し、不必要なものを取り除いていく。それにおいては、相当な客観視、観察眼が必要、そして勇気も必要です。
でもそれを一つ一つ、丁寧に行うことで、今度は、必要なものをあらたに一つ一つ付け加えていくことができるのです。

誠実に丁寧に自分と向き合う、その結果、その人本来の健やかな声に出会います。