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「言語は目に見えない手足となって、さまざまな意味で聴く人に触れる」 by A.Tomatis

「言語は目に見えない手足となって、さまざまな意味で聴く人に触れる」 by A.Tomatis

これから、トマティス博士の言葉を少しずつブログで紹介していきたいと思います。
今日の言葉は、
”言語は目に見えない手足となって、さまざまな意味で聴く人に触れる” です。

心地よい声や歌を聴いていると、確かに耳だけでなく全身でその音を受け入れている感覚があります。一方で、突然の怒鳴り声や大きすぎる声を聞いたとき、私たちの身体は「ビクッ」と反応し、心には恐怖が広がります。

「耳と声の講座」では、参加者にどんな声が好きか、嫌いかを尋ねることがありますが、嫌いな声としてよく挙がるのは“怒鳴り声”や“過度に大きすぎる声”です。

こうした音声を常に耳にしていると、身体は身を守るために硬直することが癖になり、その硬直した身体がエネルギーを発散したくなったとき、爆発的な反応を引き起す可能性があります。

博士の言葉の通り、目には見えない音声は確実に相手の心身に影響を与えています。
そうであれば、私たちは”自分の声”についてもっと責任を持たなければなりません。

特に、子どもとのコミュニケーションにおいて、大人の声は非常に重要です。柔らかい子どもの耳を“可聴範囲の広い耳”にするか、“偏狭な耳”にするかは、大人の声にかかっています。

耳の受け入れは、心の受け入れにも大きく関わります。
「大人の声は子どもの耳を育てる大事な音環境のひとつである」という認識を持つことは、非常に重要です。

さらに、本当に大切なことは、声が相手に到達する前に、自分の声がまず自分の身体を触れているということです。

乱暴で荒い声は、自分自身を乱暴に扱っているということです。そのような声からは良いコミュニケーションは生まれません。

自分の身体を優しく扱った声だからこそ、相手にも優しく触れることができるのです。
そのためトマティスメソッドの発声法において、何よりも最初に認識し、最も要とするのは、自分の振動で自分の身体とコンタクトをとる骨導ハミングなのです。